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“健康的な肥満”はありえる?ありえない?

“健康的な肥満”はありえる?ありえない?

「○○さんは太っていても、丈夫でバイタリティーにあふれているよね」そんな、元気いっぱいのポッチャリさんをときどき見かけます。しかも、太めの方が底抜けに明るくバリバリ働くイメージを与える場合も多くあります。でも“健康的な肥満”なんて本当にありえるのでしょうか? 少しくらい太っていても、運動や仕事、家事を行っていれば生活習慣病等のリスクは回避できるのでしょうか? この疑問は長い間、あらゆる方面でディスカッションされてきました。ドクター等の健康のプロフェッショナルたちは、確かに運動には生活習慣病予防にプラスに働く効果があることは認めていますが、運動好きで“健康的な肥満”という考え方には多くの疑問を投げかけることが多いのです。例えば、ご存知マツコ・デラックスさんのように、「どこにも異常がなくて、お医者さんに不思議がられているのよ」と言う、健康上でリスクのないおデブさん(?)は、この世に存在するのでしょうか。ここで検証してみましょう。

心疾患や脳卒中… やはり肥満は危険!?

 実は、そんな疑問に答えてくれるような記事が、アメリカの心臓学会誌(JACC)9月号に掲載されました。太め、いわゆる肥満の人は、今は健康そのもので特に何も疾患がなくても、普通体の人よりも心疾患になりやすいという結論を発表しました。「でも、私は肥満だけれど、健康診断等で糖尿病や高血圧、高コレステロール血症はない」と言うタイプの方は、代謝的には健康な肥満と呼ばれています。でも、最新の研究でわかったのですが、そんな代謝異常の有無に関わらず肥満の人の心疾患リスクの高さは変わらないのです! さらに掲載された記事には「正常な体重・代謝的に健康な人と比べて、過体重など肥満に分類される人は脳卒中を引き起こすリスクがやや高く、冠動脈性心疾患のリスクは約50%高くなり、心不全を招くリスクは約2倍も高い。同じように、過体重の人は冠動脈性心疾患リスクが30%高い」だから、「代謝的に健康な肥満というものは存在しない」と、今回の研究論文の主筆者となった英バーミンガム大学医科歯科大学院のリシ・カレイアシェティ医師が発表したのです。ここからわかるように、やはり“健康的な肥満”はありえないと言うのです。その一方で、冠動脈心疾患のリスクという点では、「太っているかどうかよりも、(代謝的に)健康かどうかのほうが重要」であることもわかってきました。

運動で体重を減らすのでなく健康状態を改善する

しかし、カレイアシェティ医師は、今回の研究に健康状態と運動量に関するデータが含まれていないと認めています。「多くの人は、体重を減らす、減らした体重を維持することに全力を注ぐより、運動管理療法を試して続けることのほうが簡単で、単に運動を推奨するほうが『太ってはいけない』というメッセージを送るよりも有効だと思う」と言う意見もあります。さらに「誰も太りたくて太るわけではなく、活発に体を動かせば少しばかり太っていても将来を改善できるというほうが、メッセージとして優れていて達成可能なメッセージでもある」とも言われています。もちろん体重が何より重要な指標というわけではなく、カレイアシェティ医師らは、体重は正常でも糖尿病、高血圧、あるいは高コレステロール血症のリスク要因がある人は、健康な肥満の人よりも冠動脈心疾患のリスクが高いことも明らかにしています。さらに「『とにかく体重を減らせ』という肥満へのメッセージがあふれていますが、正常な体重の人向けの生活アドバイスは少ない」と、カリフォルニア大学の疫学者パトリック・ブラッドショー助教は訴えます。

参考:東洋経済ONLINE ビジネス「太っているのに健康な人」は本当にいるのか 東洋経済 ONLINE

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