うつ病の治療と予防に効果あり!? 新型クリルオイルの可能性とは
ライフスタイル
2025.07.26

うつ病の予防に「クリルオイル」が期待される理由
最近、なんとなく気分が晴れない、やる気が出ない…。そんな“こころの揺らぎ”を感じることはありませんか? 実は、世界では6人に1人が「うつ病」と診断されており、年齢や性別を問わず身近な問題となっています。
胎児期のストレスが、心の健康に影響?
ある研究で、妊娠中の母親にストレスを与えたマウスから生まれた子どもたちは、成長するとうつ病様行動や不安様行動を見せることがわかりました。たとえば、動きが鈍くなったり、不安そうな行動が増えたりするのです。このようなマウスに、ある特別な食事を与えたところ、行動が改善されたのです。その食事には「リパーゼ処理されたクリルオイル」、つまり特別な方法で加工されたDHA・EPAが強化されたクリルオイルが含まれていました。
“脳に届きやすい形”で働く
クリルオイルには、青魚に多く含まれる「EPA」や「DHA」といったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。この栄養素は、脳の働きや気分の安定に深く関わっているとされています。研究では、胎児期にストレスを受けたマウスの脳内では、DHAの量が減っていたことがわかりました。しかし、リパーゼ処理されたクリルオイルを与えると、DHAの量が正常に戻り、うつ病様行動や不安様行動も改善したのです。
面白いのは、この効果が「健康なマウス」には見られなかったこと。つまり、リパーゼ処理されたクリルオイルに含まれるオメガ3は、必要なときだけ、脳に優しく働く可能性があるのです。これは、リパーゼ処理によってLPC型という特別な形のEPA・DHAが「血液脳関門」という壁を通り抜けやすいからだと考えられています。
うつ病の“新しい予防法”として期待
この研究は、まだ動物実験の段階ですが、「リパーゼ処理クリルオイル」がうつ病の予防や改善に役立つ可能性を示す、希望ある第一歩であると言えます。
※リパーゼ処理は、クリルオイル中のリン脂質を分解し、脳に届きやすいLPC型の脂肪酸に変換する処理のことです。
この記事はリンク先の文献を元に作成しています。
「New Form of LPC-Omega-3 Beneficial for the Prevention and Treatment of Depression – A Novel Finding」