クリルオイルがアスリートたちから支持される理由は…
青魚に多く含まれるクリルオイルは身体にいい油として、すでにおなじみですね。そんなクリルオイルの代表的成分DHA(ドコサヘキサエン酸)は「魚を食べると頭がよくなる」と言われるほど脳や目の網膜の保護作用で知られ、EPA(エイコサペンタエン酸)は血中脂質の低下を促し動脈硬化を防ぐ血液サラサラ成分として知られています。でも、実はクリルオイル等の魚油が、運動パフォーマンスの維持や向上に大きく貢献する効果力を秘めていることは、あまり知られていないのでは? EPAには酸素の運搬役となる赤血球の膜を柔らかくし、狭い毛細血管でも通過しやすくする効果があります。EPAを摂ると毛細血管の血流がスムーズになって酸素も体のすみずみまで運ばれるため、持久力の向上が期待できます。過去には、大学陸上競技長距離選手がEPAを1日1.5g、約3カ月週間とり続けたら5000メートル走の記録が有意に短縮したという試験結果もあり。また、趣味で運動する男子大学生がEPAを1日3.6g、8週間とり続けたところ、以前と同じ運動負荷でもきついと感じにくくなり、持久力の指標の1つである運動効率(エクササイズ・エコノミー)の改善を実感したと言います。
アスタキサンチンが炎症を抑えて翌日の筋肉痛を軽減
クリルオイルには筋肉の損傷や炎症を抑える作用もあり、筋肉痛からの回復を早めます。DHA・EPAを含む魚油サプリメントを8週間摂り、高強度の負荷で肘の曲げ伸ばし運動を行った試験で、運動を行った翌日から最大筋力と関節可動域の回復がみられ、筋肉痛も速やかに軽減したそうです。また、魚油サプリメントの摂取で運動直後の筋肉の損傷や運動翌日の炎症度が確かに抑えられていることも確認されたと言います。ただし、このような研究からは、1日にどのくらいの量のDHA・EPAを、どのくらいの期間とり続ければ運動パフォーマンスが向上するのかについて、まだ、はっきりとした結論は出ていません。でも、DHA・EPAが筋肉の機能や損傷からの回復に与える影響について最近まとめられたレポートによると、レジャーや趣味としてスポーツを楽しむ程度の人は、一般的な食事摂取ガイドラインにあるようにDHA・EPAを合わせて1日1~2g程度とり続けることがすすめられています。さらに、日本の食事摂取ガイドライン(日本人の食事摂取基準2015年版)でも、DHA・EPAを含むn-3系脂肪酸は、成人男性で一日に2.0~2.4g、成人女性で1.6~2.0gの摂取をすすめています。これはイワシ、サバ、サンマなどの脂ののった青魚ひと切れ(100g程度)を1日に1~2回食べれば十分に摂れる量です。また、どうしても青魚が苦手な方や、調理することが不可能な場合には、『クリルキング』等の魚油、クリルオイルを配合したサプリメントで手軽に補うこともオススメします。実際アスリートの世界では、安全であり効果的なトレーニングの実施を目的に、魚油のサプリメントが積極的に利用されています。日本体育大学の教授がサポートを行った実業団女子駅伝チームでは、DHA・EPAの摂取により月間の総走行距離が延びたという結果も報告されています。しかも、チームの監督から「選手たちの疲労からの回復が早くなり、より多くの練習が積めるようになった」というコメントが聞かれたそうです。全身の健康と運動パフォーマンスの向上のために、魚やサプリメントで魚油を補いましょう。 ★記事提供:ウェルネスライフ
参考:コンディショニング研究会 魚油成分で運動パフォーマンスアップ 持久力が上がり、筋肉痛の軽減にも効果 コンディショニング研究会