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「歩き方が変わった!」 クリルオイルと緑イ貝の力で犬の股関節ケアに明るい兆し

「歩き方が変わった!」 クリルオイルと緑イ貝の力で犬の股関節ケアに明るい兆し

私たち人間と同じように、犬の健康を願う飼い主さんにとってサプリメントは身近な存在になっています。しかし、実はこのサプリメント市場には薬のような厳しい規制がなく、個々の製品について科学的な裏付け=エビデンスが十分でないのが実情です。そのため、獣医師であっても飼い主さんに確信をもって推奨できる情報を得にくいという課題があります。

こうした背景から、今回の研究では市販されている特定のサプリメントが本当に効果があるのかを調査しました。

 

4つの製品を公平に比較試験

研究は飼い主も獣医師も、どの犬がどの治療を受けているのか分からない、信頼度の高い臨床試験を用いて、片脚により強い変形性股関節症の症状を持つ101頭の犬を4つの治療群・緑イ貝+クリルオイル(Antinol® RapidEAB-277)・コノテガシワエキス(4CYTE™ Epiitalis® Forte)・非ステロイド性抗炎症薬(メロキシカム)・プラセボ(ひまわり油)に分け、歩き方の力と関節状態の評価、血液検査をチェックしました。

 

明確な効果は 緑イ貝+クリルオイルと非ステロイド性抗炎症薬

6週目の時点で、緑イ貝+クリルオイル群と非ステロイド性抗炎症薬群では、歩く時の力の入り具合を示す数値(PVF)が投与前と比べてプラセボ群およびコノテガシワエキス群の変化よりも有意に大きく、プラセボ群とコノテガシワエキス群に差は見られませんでした。

また関節の状態や痛みの少なさの評価(OAS)でも群間に明確な差が認められ、最もスコアが低かった(障害が最も少なかった)のは、緑イ貝+クリルオイル群と非ステロイド性抗炎症薬群、次いでコノテガシワエキス群、プラセボ群の順となりました。

 

非ステロイド性抗炎症薬と緑イ貝+クリルオイルは効く。コノテガシワエキスは聞いたとは言えない結果に

今回の結果から、犬の変形性股関節症において 非ステロイド性抗炎症薬と緑イ貝+クリルオイルはプラセボと比較して、犬の変形性股関節症において有意な効果を示したことが確認されました。一方で、コノテガシワエキスについてはプラセボとの差がなく、疼痛における臨床的有用性は確認されませんでした。

 

サプリメントはどうしても「効きそう」「天然だから安心」というイメージで選びがちですが、実際にはこうした科学的なデータが大きな判断材料になります。愛犬の健康を守るためにも、本当に役に立つ情報を見極めることが大切だといえそうです。

この記事はリンク先の文献を元に作成しています。
「Evaluation of the comparative efficacy of green lipped mussel plus krill oil extracts (EAB-277), Biota orientalis extracts or NSAIDs for the treatment of dogs with osteoarthritis associated pain: a blinded, placebo-controlled study」

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